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レトロゲーム、雑談を書くブログです

■ THE ENFORCE FIGHTER A-144 PHALANX

こんにちは(`・ω・´)ゞ
複数のブログを管理すると勘違いして雑談にレトロゲーを書いたり、その逆を結構繰り返していたので雑談もレトロゲーも同じブログに書くことにしました

レトロゲーブログ復活1回目で取り上げるゲームは、1991年5月17日にSHARP X68000で発売されたZOOMのSTG「THE ENFORCE FIGHTER A-144 PHALANX」です



「GENOCIDE」はZOOMの処女作とは思えない完成度で巨大なロボが激しく闘い、ゲーム音楽も当時のゲーム音楽とは一線を画す素晴らしい名曲の数々でしたが、常人ではクリア不可能な難易度、先に進むに連れてダレてくるとあまり評価されていません
2作目「Lagoon」はZOOM社内でゴタゴタがあった事もあり普通のイースでした
ただ、この「ファランクス」でZOOMはゲーム会社として一皮むけたのか?キャラクターデザイン、音楽、演出、技術面で他のゲーム会社を一気に引き離したかのような素晴らしい横スクロールシューティングを完成させました

ZOOMの2作目「Lagoon」の開発中にZOOM作品の音源ドライバを開発したり、音楽制作も携わっていた設立当時からのスタッフが引き継ぎもせずにZOOMを離脱した事により、ZOOMがゲーム音楽で使ってきたドラム缶を叩いたようなドラム音が消えた事で「GENOCIDE」から続いてきたゲーム音楽の印象がガラリと変わりました
「GENOCIDE」も「Lagoon」も音楽の完成度は高いのですが、やはりドラムの音が軽いと指摘される方もいるので、今でもZOOMファンが好きなゲーム音楽といえば「ファランクス」を挙げる方が多いようです
ただ、「ファランクス」はZOOM初のMIDI音源対応ゲームになったのですが、音色を練り込まなかったのか?ピコピコ音が気になったり、ステージによっては音を切る命令を忘れているそうなのでいつまでも鳴り続けるそうです(*_*;

ファランクス」の作曲ですが、神尾憲一さんというZOOM作品で唯一外部の方が作った音楽になるんですが、神尾憲一さんはフリーの作曲家でゲーム以外にも「サラリーマン金太郎(アニメ)」、THE BLUE HEARTSの「ラブレター」の歌詞を元に映像化された「ラブレター 蒼恋歌」の音楽を制作されています

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ファランクスのバックストーリーです
説明書からの抜粋です

その、全長200kmを超す巨大な物質は現在亜空間の航行中である。巨体の付近には船の様なものが何百隻も寄り添っている。彼らは生体エネルギーを求め、気の遠くなるような距離を移動し続けていた。それは彼らの意思であり、彼らはその為だけに存在していた。長い長い間彼らはその進路上に存在する生態系に侵入し、自らの中に取り込んできたのだった。現在彼らが宿っているその物質も、彼らが作り出した物ではななかった。その物質に記されている集団を統べる為と思われる赤い三角のマーキングも彼らの意思とは何の関係も持たなかった。
━━巨体は急にワイプアウトした。そこはアステロイドの中だった。巨体の向いている方向には一つの惑星が見えた。巨体は暫くその惑星を見つめていた。その内、巨体にまとわりついていた船が一斉に動き出し、目前の惑星に移動し始めた。巨体は惑星をみたままただ沈黙していた。時に、AD2279年の事である。


あとこの4倍のバックストーリーがあるんですが、登場人物の事しか書いていないので割愛させて頂きました
ようは謎の生命体(知性を持った液体)に主人公達が住む星が侵略されたので、謎の生命体からの侵略を防ぐ為に闘うというストーリーです

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ファランクスのオープニングデモをご覧ください
起動画面から始まるので待てない方は [00:45] まで飛ばして下さい

デモが始まると白いデス・◯ターのような人工的な天体が拡大しながら登場しますが、X68000にオブジェクトの拡大・縮小という機能は搭載されていません
また、[03:02] あたりでA-144がデ◯・スターから離陸した途端に横回転しますが、当然X68000には画像を回転させるという機能も搭載されていません
全てプログラムで実現させています
メインのプラグラマーは「ファランクス」が初作品となる山尻立男さんという方なんですが、とても初作品とは思えない高度なテクニックをお持ちですよね

当時、ハードウェアレベルで拡大・縮小・回転機能を持っていたのはアーケードだと「ワルキューレの伝説」、「ドラゴンセイバー」などのナムコ黄金期を支えた名作を多く排出した「SYSTEM II」という基板とスーファミぐらいです

オープニングを通してメカデザインは「GENOCIDE」を完全に凌駕しており、ゲーム音楽も過去2作品から良い意味で脱却しており、ZOOMという会社をゲーマーにより強く印象付けたのが「ファランクス」というゲームになります

デモを最後までみるとデフォルメされたメル・ウィンターのブラックのタイトスカートがズリ落ちますが、コレは裏技でメッセージが出ている時に[Y][U][K][O]と同時押しするとスルッとスカートがズリ落ちます(笑)

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自機の操作は8方向+「通常弾+ミサイル」、「スペシャルウェポン」とオーソドックスな部類ですが、途中で敵を倒す事で得られるミサイル弾と通常弾のボタンが同じな為、通常弾を連射したり、圧搾弾でタメを作っている間にどんどんミサイル弾を消費していくので50発はあっという間に無くなります

■ ウェポン
通常弾を含めてウェポンは[P]を取る事で3段階までパワーアップします

[H] ホーミング弾
名前の通りホーミングする弾を撃ちます
スペシャルウェポンはホーミング弾をバリア化(効果は7秒)します
[E] 圧搾弾
連射すると太めの通常弾、溜め撃ちすると前に強力なショットを撃ちます
スペシャルウェポンはブラックホールのような物を出現させて敵を吸い込ませます
効果時間は7秒で1番使えます
[R] 反射弾
地面や壁に当たると反射して跳ねるショットを撃ちます
連射力はあるんですが威力が弱いので硬い敵だらけの本作では辛いかも?
スペシャルウェポンはウサギ型ドロイドが敵を撃ち落とします。効果14秒。
[L] レーザー
MAXになると後ろも攻撃可能ですが、あまり後ろから敵が出てこないです
スペシャルウェポンは自機を高速回転させて弾を乱射します
効果は5秒と短いのですが、緊急回避に使えます

[A] ホーミングミサイル
[B] 貫通ミサイル
[C] 対地ミサイル
[P] 通常弾、各種弾頭をパワーアップ

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ステージが始まるとどのようなステージなのかが一目瞭然になっています



キャノピーの外がまるで水の中のようです
実際のステージはこうなります



全面、水ではないのですがステージの真ん中に水の流れがあります
ここでは水の処理に半透明機能とラスタースクロールを使い魅せてくれます
パイプの中ではないので水の外に出る事も可能ですし、水面から出ようとすると自機の前に波しぶきを描画するなど細かい演出があります



私は未だに全部を把握していないのですが、「ファランクス」には隠しステージにつながる入り口が各ステージに何箇所か隠されています
ステージ5は巨大戦艦ステージなので無いかも?

隠しステージのボスを倒すとパワーアップアイテムを大量に吐き出しますので、もし途中で死んでしまって装備が初期状態になったら隠しステージに逃げ込んで復帰するという方法があるんですが、隠しステージのボスも弱いのから強敵まで揃っているので確実に復帰ができる訳ではないです

画像は最終面の何個かある隠しステージなんですが、女のコが出てきます
ショットを撃ちまくると・・・何かに変身します
ちなみにボスが猫の隠しステージがあるそうですが、何処だか知りません



私は「ファランクス」は「グラディウス」のように単騎で敵を倒しに行くゲームだと思っていたんですが、エンディングでは「R-TYPE」のように似たような自機が登場するので、どうやら何機も敵の本拠地に飛んでいったようです
そういえば「スターブレード」もクリアすると僚機がメッチャ出てきました

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ファランクスの不満な点

▶ 硬い敵に弾が弾着しても何も表現がされない
撃った場所が破壊可能なのか?ただの障害物なのかがとても分かり難いです
ただ、ホーミングミサイルはボス戦などでは破壊可能な場所にゆっくりと飛んでいきますので、ミサイルが飛んでいったら集中狙いしてボスの各パーツ部分を破壊するといいと思いますというか壊して下さい
ボスは破壊可能なパーツを破壊すると何処に当ててもダメージが通るようになります
ちなみにボスの弱点に弾が当たるとフラッシュするなどの表現はあります

▶ 難易度を「EASY」にしても敵が馬鹿みたいに硬い
レトロPCのSTGは総じて敵が硬すぎます
ルクソール」、「シルフィード」、「スコルピウス」なども敵が硬すぎる割には、画面を埋め尽くすほどの弾をバラ撒いていくのでホント辛いです
そのくせ自機の当たり判定はデカいとか。゚(゚´Д`゚)゚。

▶ ワープ面にヒントがない
ステージ3の一部、ステージ7はプレイヤーが正しいワープを選択をしないと、延々とスコアだけを稼ぐゲームになってしまうのが残念です
ステージ3は選択肢が3箇所なので運が良ければ一発で通れますが、ステージ7は全面ワープ可能な場所が何箇所もあるので迷うと延々と回り続けます
ステージ7をクリアする場合、YouTubeのクリア動画を参考にすると良きです

他にもボスを倒しても先に進まないバグがあったり、何の予告も無しにラスボス戦が始まるので「あれ?」と言う間に「ファランクス」をクリアという事があります



ラスボスなんですが「WARNING」も「CAUTION」も表示されずにシームレスにラスボス戦が始まるので、初見プレイの時は隠しステージのボスだと思って倒したのでクリアした時は感動というより「ふぁ?」でした(´・ω・`; )

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ファランクスを遊ぶ方法

現在、「ファランクス」をプレイする方法は何種類かあります
x68000の実機(中古)を購入して、中古ソフトを購入するのはもう現実的ではありませんし、購入した途端に電源(アーケード筐体の電源で代用が利く)が死んだ!とかドライブ(探せばまだあります)が死んだ!となるとお金を捨てたのと同じになります

以前、ZOOMは「オーバーテイク」を除く自社のX68000タイトルをディスクイメージ化して無償で配布していたのですが、このサービスは終了しています
X68000はIPL(BIOS)からOS、Cコンパイラまでシステムに関する著作物は無償で配布しているので、ZOOMが配布していたディスクイメージがあればエミュレータでプレイ可能でしたが今はもう無理です
ZOOMが自社タイトルをホームページで無償配布していたのは、私の父がヤングだった頃なので相当昔のお話じゃないでしょうか?

プロジェクトEGGを利用する
無償で配布されていた作品が課金になったのは納得し難いのですが、プロジェクトEGGでは440円で「ファランクス」が配信されています
ただし、配信されたゲームを購入・プレイするには、アミューズメントセンター(無料)への入会が必要なのと、EGGサービス(月額550円)が必要となります
月額課金すると無料で遊べるゲームが215タイトルもあるので、興味のある方は公式ホームページなどをご参照下さい

X68000 Zでプレイする
レトロゲームのミニ系(ファミコンメガドラミニなど)を開発するなど、組み込み系の開発が得意な株式会社瑞起(ZUIKI)から、X68000のミニであるX68000 Zが2023年9月27日に発売を予定しています
ベーシックな構成のスターターパックが税込29535円と手頃な価格で発売されます
他にもベーシック、コンプリートパックと他のパッケージも発売されるのですが、ゲームをするだけならベーシックで十分ですし、実機同様にSPS開発の「グラディウス」、ゲームをするには必須アイテムとなるジョイカードも同梱されますので、すぐゲームが遊べますがソフトに関しては別売りです


X68000 Zの詳しい解説は省きますが、ゲームやOSなどのソフトを起動するには本体にソフトウェアが書き込まれたSDカードを差し込むようになっています
2023年8月8日に「X68000 Z ZOOMパックⅠ」が本体に先駆けて発売されます
収録タイトルは処女作「GENOCIDE」、そして「ファランクス」です


瑞起のホームページでは予約はアマゾンからのようなリンクがありますが、エビテンとか他でも本体、周辺機器、ソフトは購入可能です

Wiiウェアでダウンロード購入した人を探す
2009年12月22日に配信されたWiiウェア版が存在します
Wiiウェアの配信サービスは2019年1月31日をもって終了していますが、本体に「ファランクス」が残っていれば消さない限りプレイ可能です
もし、Wiiを持っている友達がいなければ本体に「ファランクス」が残っている中古を探すという手がありますが、中古ショップは個人情報を削除するので中古ゲーム機のメモリやHDDに関しては初期化してしまいます
メルカリなどで出品されている本体はそんな事をする人がいるか不明なので、もし購入する事があれば出品者に問い合わせるのも手です
ただ、全消去しますと言われてしまったら詰みです

気になるWiiウェア版は、X68000の移植版とアレンジ版が収録されており、音楽もX68000版に準拠していますが音色が変更されていて何かチープになっています
OPに歌詞が追加されたり、ステージ開始前の1枚絵、ステージ背景、敵キャラが色々とフザケた物に変更されるなど誰が喜ぶのか不明な改悪がなされています
なので苦労して本体を探す必要はありません(笑)

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移植版(コンシューマ)

移植版がコトブキシステム(KEMCO)から2作発売されています
1992年8月7日発売 スーパーファミコン版(開発:ZOOM)、2001年10月26日発売 ゲームボーイアドバンス版(開発/販売:コトブキシステム)です

スーファミ版オープニングデモ



スーファミはハードウェアで拡大・縮小・回転機能が実装されていますが、大きなスプライトが苦手なので「スターブレード」のオープニングのような飛び立つ前のシークエンスのようなオープニングになります



X68000と同じ演出はあります



そのままX68000と同じタイトルが表示されます
若干、違いますけどね

ゲームボーイアドバンス版オープニングデモ



オープニングデモに字幕が付きました
A-144の搭乗者リキとメルなんですが、誰だこれ?
そして、リキにはレーサーが頭部や頸部を守る為に装着している「HANS」のようなデバイスが装着されていますね



いきなり3DCGになるので見た目がR-TYPEですね( ´∀`)



タイトル画面も3DCGなんですが、別ゲームに見えるのはなぜでしょう?

コンシューマに移植された事により、ゲームの難易度はかなり下がりました
ただ、スーファミ版はそれなりに難しいです
ゲームボーイアドバンス版はボンバーが実装されたり、ライフが3から4へ1つ増えた事もあり、かなり難易度が下がりました( ´∀`)b
コンシューマ版の共通点は、自機の速度がオプションで変更可能になっています

他にもステージ2の水の中に入ると自機が後ろに流されるなど、X68000版からの細かい変更点はありますが、いずれ紹介したいと思います(❃´◡`❃)